
一型糖尿病の子どもを育てていると、
「初めての飛行機、大丈夫かな?」
「空港の検査って、ポンプはどう扱われるんだろう?」
と不安が尽きないですよね。
私自身、娘と初めて家族で飛行機に乗るとき、
「あのゲートってX線出てるの?」「通れないのはエックス線のせい?」
と思っていました。
実はこれ、まったくの誤解でした(笑)
この記事では、
親として知っておくべき「空港保安検査の本当の仕組み」と
「なぜインスリンポンプ利用者はゲートを通れないのか」
をわかりやすくまとめました。
お役に立てたら嬉しいです(^^)
それではどうぞ~
なぜインスリンポンプ利用者は金属探知ゲートを通れないの?
1. まず結論:金属探知ゲートは“X線ではない”
空港の金属探知ゲート(歩いて通るあのピンポンのゲート)は
X線ではありません。放射線も使っていません。
✔ 使われているのは、ごく弱い“磁界(電磁波)”

この磁界が、通過する人の金属によって「乱れる」ことで
ゲートが反応する仕組みです。
つまり、金属製品を検知するだけの装置。
- 危険物を透視しているわけでも
- 人の体に影響があるわけでもなく、
電磁波による「金属の検出」が目的なんです。
2. では、なぜインスリンポンプ利用者は通れないの?
理由は大きく分けて 2つ あります。
① ポンプには金属部品があるため、必ず反応するから
インスリンポンプは小さくても精密機器。
内部には金属部品が含まれているため、
- 金属探知ゲートを通れば100%反応する
- ハンド型金属探知機(ピッと当てるやつ)にも反応する

つまり、ゲートを通る意味がないのです。
結局は個別検査(目視・触診)になるので、
最初から別レーンに案内されるのは正しい流れ。
② 電磁波で“誤作動”が起きる可能性があるため(世界基準)
これが重要ポイント。
インスリンポンプは、外部の磁界・電磁波に弱い構造があります。
多くのメーカーが国際的に以下を注意喚起しています:
属探知ゲート(Walk-through metal detector)は推奨しない
ハンドヘルド(携帯型)金属探知機の使用は避ける
ミリ波ボディスキャナー(筒に立つ検査)も避ける
X線装置にポンプを入れるのは絶対NG
とくにメドトロニック(MiniMed)やオムニポッド(Insulet)は
明確に「通さないで」と公式で発表しています。

理由は、
- 電磁波により投与が停止する
- エラーが起きる
- 誤作動(過量投与・停止)の可能性
などの報告が、世界で少数ながら存在するため。
頻度は低くても、
「リスクをとらない」というのが国際ルール。
そのため、
空港では必ず“ポンプ利用者は別検査”が標準対応になっています。
3. 空港ではどうなるの?流れを簡単に解説
✔ ① 手荷物をX線に流す
(※ポンプや伝送機は入れない)
✔ ② 金属探知ゲートの前で職員へ申告
「一型糖尿病で、インスリンポンプを使用しています」とカウンターで事前に申告
✔ ③ 専用レーンまたは別検査へ案内
- 服の上からポンプの位置を確認
- 手で軽く触診(とても丁寧で痛くない)
- 必要なら手荷物も目視確認
この対応は 新千歳・羽田・成田・関空すべて共通 です。
4. 親として知っておくと安心なポイント
✔ 子どもが怖がらないよう配慮してくれる
日本の空港は本当にやさしいです。
時間を短く済ませるよう全員が動いてくれます。
✔ 事前申告すればスムーズ
職員に声をかけるだけで、
対応してくれることが多いです。
✔ 世界共通のルールなので、どの国の空港でも同じ
海外旅行でも、基本的に同じ流れになります。
5. まとめ:通れないのは“危険だから”ではなく“安全のため”
ここが一番大切。
インスリンポンプ利用者が金属探知ゲートを通れないのは、
身体に悪いからではありません。
✔ ポンプが金属だから反応してしまう
✔ 外部の電磁波でポンプが誤作動する可能性がある
(世界中のメーカーが公式に注意喚起)
この2点が理由です。

だから空港は、
「ポンプの安全を守るため」に別検査をしてくれている
ということなんです。
親としては不安もあるけれど、
これは子どもを守るための大切なプロセス。
“知っているだけで、旅行の不安はぐっと減る”
そんな情報として役立ててもらえたら嬉しいです。



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